太田光が明らかにした二階俊博の「強さ」

太田光が明らかにした二階俊博の「強さ」

アイキャッチ画像 https://www.jimin.jp/member/100555.html より


太田光という無知を恥ともせず、それを大剣のように振り回すだけ振り回し、誰にも当たっていないにも関わらず一騎当千かのように汚い笑みを浮かべる愚の象徴のような男がいるのは皆さんもご存知だと思う。

この男、一応芸人でもあるのだが、ダウンタウンのように笑いのテクニックがずば抜けているわけなもなければ、明石家さんまやウッチャンナンチャンのように持ち前のトーク力で他人の強みを引き出すことに長けているわけでもない。

自分でもそれがわかっているのか、北野武やタモリのような「知識人」を目指しているのかもしれないが、その偏りまくった思想と無知さ、そして物事を深く考えることのできない生まれつきの無能さ故か、そうなることもできない。

ただただ、人を小馬鹿にして笑いをとることしか能のない哀しい生き物である彼だが、TBSは何をトチ狂ったのかよりにもよってこの稀代の阿呆をMCに抜擢した「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」という番組を投開票日当日の夜に生放送した。

番組では太田光との直接対決ということで、各党の党首や幹事長など大物政治家に太田光がインタビューを行うというコーナーがあった。

私は残念ながら、都合上、生で視聴することができず(仮にテレビを見れたとしても彼の番組は見ていないが)後々、ネットで流れてきたものを見ることとなったが……


本当に酷いものであった。
ここまで下劣で低俗な番組を見たのは初めてだ。


特に酷かったのが、高市政調会長と甘利幹事長に対する質問だ。

高市氏に関しては、既に答えが出ているにも関わらず、自らの妄想に基づいた無茶苦茶な主張で森友学園についての話をし続け、高市氏が「想像で語られても……」と制しても主観と妄想に基づく主張で同氏を責め立て続けた。

私自身、高市氏とはお会いしたことがあるが、非常に温厚であのような表情を見せる方ではない。
メディアにおいてもそうであることは皆さんもご存知であろう。

あのような怒りと呆れのこもった同氏の表情を見るのは初めてであり、どれだけ太田光が失礼で下劣極まりないことをしたかというのが伝わってきた。

甘利幹事長に対しては「負けたら戦犯ですよね」と言ったかと思えば、終盤では劣勢が報じられる甘利氏に対して「ご愁傷様でした」と言い放ち、汚く高笑いする始末。

甘利氏は大人の対応で笑いながらいなしていたが、これは普通ならその場で激怒されてもおかしくないほどのものであり、甘利氏に対しては勿論、甘利氏に投票した有権者も馬鹿にした最低な発言である。

さらに、その後の妻である太田光代のフォローも酷かった。ご愁傷様はけして悪い意味ではないだの、終いには

「アーリン(太田光のこと)に礼節など無理です。ただ、皆さんは礼儀正しく美しく。生きているのですか?」「そんな人は芸人出来ません。少なくとも馬鹿ですよ。芸人は」

などと開きなおる始末であった。

政治家に無礼を働くだけでなく、同じ芸人も侮辱する発言である。

各界の知識人と知的な会話を繰り広げるタモリや、天皇陛下の御即位30年に際し、ユーモアを交えながらも敬意のこもった立派な祝辞を述べた北野武を見ても同じことが言えるのであろうか?

芸人が馬鹿なのではない




太田光が馬鹿なのである。







ここまで長々と書き連ねてしまったが、当記事の本題に入ろうと思う。

先程、太田光の高市氏と甘利氏への無礼な発言について取り上げたが、同番組で最も酷かったのは元自民党幹事長、二階俊博氏へのインタビューである。

太田光は、二階氏に中継が繋がると、開口一番「顔が怖い」「人相が悪いですが、怒ってますか」と発言。

政治家に対してというより、人としての礼儀の一切を欠いた失礼極まりない態度である。

だが、それに対する二階氏の返答は

「君よりはもうちっとマシだよ」と、笑いをまじえた返しであった。
芸人である太田光より、よっぽどユーモアとセンスのある発言である。

世間一般のイメージとは異なる対応に、驚いた方も多いのではないだろうか。

その後も太田光が「いい意味でも悪い意味でも二階さんが自民党の象徴」だと発言すると

「いい意味だよ。悪い意味がどこにあるんだよ」

と、これまた笑みを浮かべながら言い返してみせた。
昔ながらの政治家である二階氏だからこその切り返しであり、ここまでのやり取りに胸がスカッとした方も多いのではなかろうか。

そして、こうも思ったかもしれない。


「あれ?二階さんってこんな鋭い返しができたの?」


逆だ。これが二階氏本来の姿なのである。

幹事長時代はどうしても事務方に決められた文章を読むことが多く、それをただ読み上げるさまは見ている側に頼りない印象を与えたかもしれないが、本来はハッキリと物事を言い、大胆な判断を躊躇なく行える昭和型、田中角栄などに近いスタンスの政治家なのだ。

しかし、そこまで笑いながら返していた二階氏が、太田の
「いつまで政治家を続けるつもりですか」
「死ぬまでですか」
という質問に対しては

「そもそも、当選したばかりでそんなことを聞くのは失礼だ」と怒りを見せた。

政治家、二階俊博が何より大事にしているのは 

地方とそこに住まう有権者

そしてその意見の集約である選挙

そして日々支援をしてくれる党員

である。


太田光のこの質問は、二階氏を地域の代表として選んだ有権者とその結果である選挙、そして当選のために尽くしてくれた党員や支援者、その全てを侮辱した二階氏にとって地雷中の地雷な発言だった。

故に、怒りをあらわにしたのである。

自らを馬鹿にしたことに対して怒るのであれば、最初の二問ですでに激怒しているだろう。


こういった話をすると、物事の表面しか見ていない「自称」保守派のネット右翼の方々は
「何を言ってるんだ!二階は中国のために働いているんだ!」などと言い出しかねない。

たしかに、二階氏は自民党の中でもきっての、親中派である。
だが、それは別に中国を発展させたいからなどではなく、地政学的にも近い大国である中国との太いパイプを持っておくことが日本の国益になると考えてのことである。

日本と中国はお世辞にも仲良しこよしとはいかないし、協調というよりは対立している部分が多いのもたしかだ。だが、だからといって親交や協力を一切行わず、すべてを断ち切ったとしたら、国際社会は成り立たない。
日本と中国は経済的にも互いに依存しているのだ。

実際、仮に二階氏が引退したとしたら、その後を担える人材を探すことはなかなか難しいものがあるだろう。

二階氏が最も大切にしているのは自らの地元とその有権者であり、決して中国の人民などではない。
もし、疑問に思う方がいれば和歌山3区に行って聞きまわってみるといい。

幹事長というポストを失ってもなお、2位と5倍ほどの票差をつけ、10万票以上もの得票を得ていることにはそれなりの理由がある。
仮に本当に二階氏が「中国のため」に働いていたとしたら、とっくに票を失っていることだろう。


話を戻そう。

同じ言葉を太田光に投げかけられたとして、二階氏と同じようにユーモアで返し、怒るべきところには怒る、それができる政治家がはたして日本に何人残っているであろうか?

最近は、少しでも失言(と解釈できるようなこと)を言えばすぐにマスコミが切り取り、ワイドショーで何日にも渡ってベラベラとくだらない憶測を並べたてる。

悪評というのは厄介なもので、それが真実かそうでないかに関わらず、繰り返し人の耳に入ることで、当人の印象を悪くする。

平井前デジタル担当大臣へのバッシングや、麻生政権時のいわゆる「麻生おろし」の報道などがそれが成功してしまった例と言えるだろう。

故に、今の政治家は失言を恐れ、回りくどい言い方に逃げざるを得ない。
マスコミに叩かれて、選挙に落ちるなどということは避けたいからだ。

しかし、日本にはまだ圧倒的な地元での支持を背景に、マスコミに何を言われようとも物怖じしない政治家が残っている。

その代表格が、麻生太郎氏や、当記事で取り上げた、
二階俊博氏なのである。


太田光は今回の番組で、二階氏を貶めようとしたものの、図らずともその「強さ」を全国に知らしめることとなったのである。

実際、今回の一件で二階氏について「イメージが変わった」「見直した」などと、評価を転じている声がSNS上で多く見られる。

政治家というのは有権者の多数の信任を得て、選ばれた国民の「代表」であり、皆がその威厳を失ってしまえば、マスコミの報道や世論の「雰囲気」に流されるような衆愚政治が蔓延ってしまう。

そのような事態を防ぐためにも、二階氏や麻生氏のような「言いたいことははっきりと言う」政治家はまだまだ日本には必要だと言えるだろう。
ポストの入れ替わりや、世代交代等は必要だとしても、政治家であり続けることに年齢は関係ない。

国民の代表として不適格だと思えば、有権者はいつでも「選挙」で落とすことができるのだから。
自民党に関して言えば、小沢氏が比例復活したような立憲民主党とは違い、比例復活に73歳定年制も存在するのだから尚更である。

問題は「威厳」のあるところには、必ずそれにたかろうとする輩が出てくるということだ。

彼らこそが、国民が本当に監視しなければいけない存在であり、本来糾弾されるべき存在であるのだ。

なかなか一般には見えてこないものではあるが、皆さんにはわかりやすい「巨悪」を作り上げるのではなく
その巨大な影に紛れて甘い蜜を吸う者達の存在に、目を凝らして欲しい。



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