デジタル庁を「アナログ庁」と呼ぶ馬鹿

デジタル庁を「アナログ庁」と呼ぶ馬鹿

先日、デジタル庁が報道機関向けのメールのCC欄とBCC欄を間違え、本来アドレスを非公開で送信すべき一斉送信のメールを、全アドレスが公開された状態で送ってしまうというミスがあった。
メール内容は、牧島かれんデジタル相が、デンマークとデジタル分野における協力覚書を締結したとするものであり、4時間後に再送信され、同時に誤送信メールの破棄をマスコミ各社に求めた。

これを受け、一部の勢力は「CCとBCCもわからないのか」「デジタル庁ではなくアナログ庁だ」などと揶揄しているが、これは全くもって的外れと言わざるを得ない。







第一に、本当にCCとBCCの違いがわからないのであれば、もっと早い段階で同様のメールが送られているはずだ。
デジタル庁の発足後、そこそこの月日が経ったが、今まで同様のミスが報道されたことはない。

そして、CCとBCCの間違いなどは、技術的な問題などではなく単純な業務上の凡ミスであることは明らかである。
仮にいかにデジタルに精通した人間が担当していようと、偶発的なミスというのは発生する。
特に、それが激務な部署に配属された官僚であれば尚更だ。

実際に私自身も、いくらルーチン化した作業であっても、メール関連でのミスをしてしまったことはある。
変更して記載すべき日程を変更前のままで送信してしまったり、酷い時は既に送信したファイルをもう一度送信してしまったりなど、再送信をするはめになったことは何度かある。
特にそれが深夜まで働いた翌日や、日付変更ギリギリの時間などであれば尚更である。
「メールなんてよく確かめて送ればいいじゃん」と思われるかもしれないが、極限状態にある人間は何度確かめようともミスをするものだ。

今回のデジ庁の職員がそうであったかどうかはわからないが、そのただの凡ミスを「デジタル庁全体の見識不足」として批判するのは愚かとしか言いようがない。


軍事のプロである自衛隊であろうと時に事故を起こし殉職者を出すこともあるし、狭き門を潜り抜けた優秀なジョッキーであろうと落馬することはしばしばある。

それを聞いて「自衛隊は素人集団」だの「JRAに競馬をさせるな」だの言う人はいない。

今回のデジタル庁のミスもそれと同じだ。恒常的に同じようなミスが繰り返されているなら前述のように批判されても然るべきかもしれないが(某メガバンクのように)、今回のミスに関してはそれに当たらない。

単純な、事務方個人のミスである。

そして、この件でデジ庁がどうのと騒ぎ立てれば騒ぎ立てるほど、単純なミスをしてしまった当該官僚の人生を追い詰めているということに気づいていただきたい。


デジ庁の組織自体を批判しているつもりかもしれないが、それによって悩み苦しんでいるのはただの個人であるのかもしれないのだから。


もっとも、残念ながら、官僚を思いやる心などマスコミや反体制派の皆さんにはないであろうが。





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