国民民主党は「野党失格」なのか

国民民主党は「野党失格」なのか

最初に結論から申し上げると、「野党」というのが従来型の野党のことであれば「失格」と言える。
ただし、これは汚点ではなく、むしろ名誉である。

政府与党の言うことの逆張りをすることであれば、3歳児でもできる。
逆に言えば立憲民主党などの旧態依然たる野党は国会にいようと、そこらの3歳児に「はんたいって言ってね」と教え込み座らせているのと同じであり、存在意義はないに等しかったのである。
そんな彼らから絶縁宣言のようなものを突きつけられたとしても、それは国民民主党のみが正しい「次のステップ」へと進んでいることに他ならない。

国民民主党の予算案賛成を受け、共産党は「事実上の与党宣言」であるとし選挙協力の可能性についても低いということを明言したが、これこそが国民民主党が「まとも」であるという証明に皮肉にもなってしまっているのである。
立憲民主党や共産党(もはや同じようなものだが)の支持者達は、「国民民主党は自民に擦り寄っている」「連立入りする気だ」などと言っているが、何故両極端でしか物事を考えられないのか。

この業界にいれば、少なくとも連立与党が増えるとなれば少なからず情報は入ってくるが、そんな気配は一切ない。
国民民主党はただ純粋に、トリガー条項の検討という自らの目的を果たし、無闇に反対するような予算案でもないとして賛成した。それだけなのである。

むしろ、自民党にとって国民民主党の存在は脅威だ。
正直言って、立憲だの共産だのと言った半分反社会勢力のような左翼政党に関しては、政策立案能力もなく、無党派層の関心も向かないことから自民党は既にほぼほぼ警戒していない。
自民党にとって怖いのは「対立する保守(中道)政党」が出てくることなのである。維新がその役割を担うかと警戒する者もいるが、地方のカラーが強い彼らはせいぜい関西の選挙区止まりであり、全国で躍進することはないと考えてよい。
となると、残る脅威は国民民主党のみであり、彼らが小池都知事と手を組み、それに自民党の反主流派や創価学会の圧力が強まっている公明党などが同調することこそが何より現実的な脅威なのである。

それ故に、国民民主党が他の野党とは一線を画した提案型野党として筋を通し、その存在感を示していることに本来反政権派は勢いづき、それを応援する立場であるはずなのだ。

だが、いわゆる野党共闘(笑)を支持する愚かな支援者達はそれに気づかない。
国民民主党をまるで中世の魔女狩りかのように吊し上げ、石を投げ続けるだけだ。
一番の好機を、自ら台無しにしているのである。
それどころか、山本太郎のような政治家と活動家の区別すらついてない、どうしようもないペテン師を持ち上げているのだからどうしようもない。

玉木代表もやるせないであろう。
自らは当初から公言してきた通りに党を動かしているにも関わらず、本来味方であるはずの野党からも背中を撃たれ、民主党カラーが残っていると思われるせいか、与党支持者にも認めてもらえているとは言い難い。
野党の中では確実に一番まともなことを言っているのだが、悲しいかな、「まとも」なことは有権者にはウケが悪い。
特に現政権への反対派を取り込もうとするには、立憲や共産のような煽動にも近い愚行や、れいわ新選組のようなカルトじみた狂気が必要なのである。
現政権を肯定している人々にとっては、そもそも野党に投票する必要などないのだから。

そこで、私から玉木代表に一つ提案がある。








……「もう本当に連立組んじゃえよ」







いくらそっちサイドでまともなことをやっていようと、評価されるわけがない。
そもそも支持者達がまともではないのだから。
ロシアのウクライナの核開発への言いがかりよろしく、自民党と組むつもりがなくても組んでいる扱いをされるのだから、いっそ本当に組んでしまえばいい。

政策を提案するのには勿論、政府の方針に反対する、ストッパーとなることをとっても、与党である方がそれを容易に行える。自公のやり取りを見ればそれがわかるだろう。
野党が反対反対と言おうが自民党は相手にしないが、連立し選挙協力をしている相手である公明党が言えば、一度立ち止まり、方針を転換することも度々あるではないか。
自公が相互推薦で軋轢が生じている今こそ、与党の一員としてイニシアティブを握るチャンスではないだろうか。

小池氏との協力……たしかにそれも魅力的かもしれない。都民からの支持は相変わらず高く、知名度も抜群の女帝と組むことは選挙での躍進に繋がるだろう。

だが!はっきり言おう!乗っ取られるぞ!


そして、仮に選挙で負けたら奴は100%責任をとらない。
「今は都政に集中」などといって知らん顔するに決まっているであろう。

その点、自民党との協力はメリットが大きい。先程あげたいくつかの点に加え、支持母体である連合との折り合いもつけられる。
最近の連合の動きを見ていれば、与党へ接近しているのは明らかだ。本音を言えば連合も自民党と組んだほうが自らの利益となることは百も承知であろう。ただ、あと一歩が踏み出せない。
そこで、国民民主党が与党入りすれば、「彼らが協力するのなら私達もやぶさかではない」と名目ができるのだ。

連合を引き連れて与党入りしたとなれば、自民党からの扱いも悪くないどころか、議席次第では公明党よりも重視されるやもしれない。
それでこそ、国民民主党の目指す「新しい答え」を作れる政党となれるのではないだろうか。

今回の一件で、玉木代表も身に沁みたのではないだろうか。
立憲だの共産だの奴らは「まともじゃない」のだ。
国益だの国民の生活だのということは一切考えていない。自らの議席とテレビ映り、バックにいる怪しい団体とSNSの狂信者達のことしか考えていないから、あのような馬鹿げたことが言えるのである。




今こそ決断の時だ。





動け、玉木。






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