「ツナマヨおにぎり騒動」について~小林幸司シェフは何も悪くない~

「ツナマヨおにぎり騒動」について~小林幸司シェフは何も悪くない~

新年明けましておめでとうございます。

当ブログ「俯瞰」は管理人の都合により一時期休止しておりましたが、年が変わったのを機に、再開したいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

さて、新年早々、インターネット上で騒ぎになっていたのが「ツナマヨおにぎり」について。
政治の話題に触れろよ、と皆さんもお思いかと存じますが、個人的にすごく悲しくなったのでこの話題に触れさせていただきたいと思います。


事の経緯としては、「ジョブチューン」というTBS系列のクソくだらない番組で、コンビニ商品を一流シェフが審査するという企画において審査員の一人である小林幸司シェフ(Fogliolina della Porta Fortuna店主)が、ファミリマートのツナマヨおにぎりを食べる前に、見た目だけでNGを出し、ファミリーマートの女性社員を泣かせた。
というもの。
これに対し、インターネット上では小林氏への批判が相次ぎ、あろうことか「一度も訪問したことがないであろう」方々から小林氏のレストランのグーグルレビューに誹謗中傷が書き込まれまくる始末。


……お前らは木村花さんのことを忘れたのか?


テラスハウスの台本通りに演技をしていただけで「リアリティーショー」をドキュメンタリーだと思い込むバカどもに追い込まれて亡くなった木村さん。
今回の件だって同じだ。
「ジョブチューン」はスポンサーの力によって成り立っているTV番組の中でも、特にその傾向が強い番組であり、もはや「バラエティの体をした長尺のCM」のようなものである。


そんな番組に、台本がないわけないだろう。


小林氏がファミリマートのツナマヨおにぎりを酷評することは最初から指定されていた、もしくは「厳しいことを散々言ってもいい(言ってくれ)」という同意の上での番組だったに決まっている。大方、前者だ。
本気でファミリーマート側を怒らせれば、番組側の立場がない。
あれはメタクソに批判されることによって同情を誘い、売上を伸ばすことを狙ったいわゆる「炎上商法」である。
実際、まんまと一部ネット民の皆様はそれに引っかかり、ただのコンビニおにぎりを異常に持ち上げて「絶対買いますー」だのほざいている。

もう見ていられない。哀れ過ぎる。ここまで日本人は煽動されやすい阿呆になっていたのか。



もし仮に、一切の台本が存在しなかったとしても、見た目で食べるも食べないも小林氏の自由だ。
それこそ本気で評価をしてくれているのではないか。

ネット上の一部の方々は小林氏の料理を「食べたくならない」「大したことない」だの馬鹿にしているが、彼が超一流シェフなのは事実であり、業界からもとても高い評価を得ている。言っている側の見る目がないだけだ。

言い方は悪いが、どうせ批判している連中は同氏の店で提供する4万円のコースなどは食べられないだろうし、おそらく今までもそういった値段帯のものを食べてきたことがないのであろう。

これほどの料理を提供するシェフであれば例えコンビニおにぎりを見た目で酷評しようと何を文句を言われる筋合いがあろうか。否、そもそも小林氏でなくとも、言われる筋合いはない。

私個人の意見としても、コンビニおにぎりなんてものはまずいのが当たり前だと思っている。
時間がないときなどは私もコンビニ飯を食べることがあるが、お世辞にも「美味しい」と言えるものはない。
各企業の努力はあるだろうが、制作コストから製法から、本当にレベルの高いものを作り出せるはずがないし、別に企業側も本気で「最高品質のものを届けたい」などとは思っていないのだ。

それと比較して、小林氏レベルのシェフであれば、常に料理に全身全霊を注ぎ、完璧な時間を過ごしてもらおうとただそれだけのために日々邁進しているのだ。
一日一組、予約限定という営業スタイルからもそれがうかがえる。

同じようなことをくり返して言うが、批判されている方々は「完全予約制」の店や数万のコースを出す店で食事をしたことがあるのだろうか?
おそらくない、もしくはお祝いで行ったことあるくらいといったあたりなのではないだろうか。

同様のレベルの店に行ったことがある方ならわかるはずだ。
そのこだわりは尋常じゃないし、それらの店で提供される繊細な料理に比べれば、コンビニおにぎりなんてものは言い方は悪いが月とスッポンどころか、月とノミみたいなものであり、比較することすらおこがましいものだ。


上から目線だなどと言っている輩もいるが、そんなのは当たり前だ。圧倒的に「上」なのだから。


本来なら「全て食べるに値しない」と放り投げてもいいものを、小林氏は他の商品に関してはしっかりと口にしている。また、本音を言えば「こんなもの美味いはずがない」というのはおそらくその場にいたシェフ達全員が考えていたことだろう。

大方、インターネット上で騒ぎたいだけの輩は、次の炎上が起きたらそちらの方に流れ、一ヶ月もすればレビュー荒らしも落ち着き、グーグルによって修整され、小林氏の店も元の姿を取り戻すことであろう。
また、これだけの高い評価を受け、実績を持つ方が、こんなそもそも自分の「接客対象」には一生ならないであろう奴らに何を言われようが気にはならないとは思うが、現在の状況は、営業には確実に悪影響だ。
これがそこらの個人店などだったら、それこそ閉店の危機にもなったかもしれない。
店主が追い詰められて自殺したかもしれない。
いつになったら愚かな大衆は、ネットリンチの悲惨さに気づくのか?それを学ぶだけの機会はいくらでもあっただろうに。

今回の件で「悪者」をあえてあげるとすればクソくだらない番組を作り、炎上も予想できたであろうに視聴率をとるためにクソつまらない台本を書き、おそらく小林氏に対してろくなフォローもしていないTBSの番組制作側と
そんなクソくだらないバラエティをこのテレビが衰退している時代にも関わらず、マジになって見てしまうような知能レベルも教養もお察しであろう視聴者である。改めて言うが


小林幸司シェフには一切の非がない。


仮に非があるとすれば、それは小林氏が「炎上」を前提に番組サイドやファミリーマート側から多額の報酬を貰い、この騒ぎについても小林氏の想定内である場合だけだろう。……それでも非があるとは言い難いが。

ともかく、もう少しテレビ番組には「台本」というものが存在するということを大衆はしっかりと理解したほうがいいのではないだろうか。その理解がない故に「格付け」のような番組の視聴率がよく、ガクトや叶姉妹のようなキャラクター付けを本気で信じてしまい「すごいすごい」と騒ぐ馬鹿が大量に湧きテレビ局が儲かるわけだが……

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