なぜ「立憲共産党」は負けたのか 〜3つの理由〜

なぜ「立憲共産党」は負けたのか 〜3つの理由〜

アイキャッチ画像https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2021/ より


投開票日から一夜明けた今日。
結局ほとんど眠れておらず、瞼が勝手に落ちるほど眠い中で、私はこの記事を書いている。
それ故に、文章におかしな点が多々あるかもしれないがご容赦いただきたい。

今回の選挙戦において、自民党は議席を減らしはしたものの、単独での過半数は勿論、絶対安定多数も維持し「負け」という事態は回避できた(一部メディアはこれでも負けだと騒ぎ立てるだろうが)

いや、むしろ当初の予測に比べて善戦したことからも「勝ち」と言ってすらいいかもしれない。

一方の野党である。

立憲民主党と共産党、いわゆる「立憲共産党」コンビは公示前から議席を減らす形となった。

野党共闘の成果をアピールし、政権交代すら謳っていたにも関わらず、このザマだ。

しかし、この結果は何も意外なものではなく「なるべくしてなった」ものだと言えるであろう。

当記事では、その主な原因となった3点を解説する。

1. 「野党共闘」そのもの

言葉の通りであるが、野党共闘そのものが愚策であったのだ。特に「立憲共産党」と呼ばれる所以となった、政権奪取時の共産党との閣外協力の協定である。

自民党が嫌いで、野党を応援したいという方々の中にも、やはり共産アレルギーを持っている方は多い。
そういった方々にとって、今回の立憲の方針は支持をやめるだけの十分な理由となったであろう。

実際に、協力して政権交代を果たしたとして、では本当に部分的な閣外協力だけ。という訳にはいかないことは少し考えれば明らかだ。

これに関しては民主系の最大の支持母体である連合も危機感を示しており、懸念を表明するとともに、各地での連合の支援も下火となっていた。

トヨタ労連の与党との連携なども影響は大きく、立憲としては「連合の支援によって当選しているのではない」としていたが、実際はやはり最大の支持母体である連合の組織力は大きく、そこに背を向けた代償は大きかったと言えるだろう。

日本国民に思った以上に共産主義への免疫が残っていたということは喜ばしいことであるし、連合はこれを機に与党との連携を深めることをおすすめする。

2.政策のずさんさ

「立憲共産党」が敗北を喫したのとは対照的に、日本維新の会と国民民主党は大きく躍進することとなった。

日本維新の会については、大阪における吉村フィーバーともいえる現象があることもたしかであるが、国民民主党とともに「現実的な政策」を訴え続けてきたことが大きくある。

元々与党の支持者である方達が、コロナ対策などで与党に反感を抱いて野党の方向を向いた時、荒唐無稽な主張をしているどころか、異なる政策がごちゃまぜとなっている「立憲共産党」はまず選択肢から外れることとなる。

そんな時、比較的自民党に近い政策感を持つ維新や、安全保障や外交に関して現実的な政策を訴えている国民民主というのは、絶好の受け皿となったのである。

特に維新に関しては、吉村知事の「国」対「自治体」の演出が功を奏したと言えるであろう。

奇をてらった政策や、実現不可能なことを声高に謳うことは、自分達の絶対的な支持層の反応は良く、つい正しい方向であると思ってしまいがちなのであるが、冷静に俯瞰している支持層というのも存在するということを立憲は意識すべきであっただろう。
意識できていないからこその立憲民主党であるのだろうが。

維新のポピュリズム的な要素も加わった躍進はともかく、国民民主党の躍進に関しては地道に政策を訴え続けてきた正統派の勝利と言えるであろう。

玉木代表もほっと胸を撫で下ろしているのではないだろうか。

3.自民党が強すぎる

これは「立憲共産党」自身が最も痛感しているとは思うが、逆風逆風と言われたにも関わらず、彼らの想定以上に自民党は地域に根を張っていたということだ。

彼らが多くの国民にとって「どうでもいい」森友だなんだを未だに騒いでいる一方で、自民党は地方と有権者の益となることを考え、地道に活動してきたことがこの結果に繋がったと言えるだろう。
そして、日本国民についても危機的状況にあろうと、正常な判断能力を失うような馬鹿ではなかったのである。

また、菅元首相のワクチン接種加速へのご尽力が、ここにきて感染者数の大幅な減少という形で目に見えてきたことも大きいだろう。

「国民のために働く内閣」の成果がようやっと報われたのかと思うと目頭が熱くなる思いだ。

そして、組織力についても大きく異なる。
自公については、強固な協力関係であり選挙をサポートする秘書や事務方も同じ方向を向いて戦っている。
彼らにとっては「逆風」と言われつつも、いつも通りのチームでの戦いであり、これまでの経験を活かせるものであった。

一方、立憲サイドに関しては「立憲共産党」の協定により有権者だけでなく事務方も混乱することとなった。
そして、立憲民主党は、分裂に合流を何度も繰り返してきた経緯から、中央から地方まで組織体制がぐちゃぐちゃで、脆いものとなっている。

さらには前述した連合の反発により、支持母体からの組織的援助も従来通りとはいかず、動員などもスムーズに行えなかったことも大きい。

そして彼らはそのケアをするよりも、聞こえの良い、見栄えの良いことをすることに躍起になっていた。

政策でも勝てない、組織力でも遠く及ばない。
そんな党が議席をとれる訳がないのは当たり前のことだ。

まとめに入ろう。

一文で表すのであれば
「立憲共産党」は、国民のことを考えず内輪受けの良い頓痴気な政策ばかりを掲げ、共産アレルギーを煽り、支持層と支持母体の信任を失った挙げ句、反与党の受け皿にもなれず、地道に政策を訴えてきた他野党に議席をかっさらわれ、強固な組織力と有権者からの信頼を持つ自民党にボコボコにされ、惨敗した。のである。

これを読めば理解していただけると思うが

まさか、でもなんでもなく

ただただ、

当然に、負けたのだ。

あえてここで予想しておくが、再びの分裂や、野党第一党からの転落もそう遠い話ではないだろう。





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